2003.12.26

航空自衛隊先遣隊の派遣に抗議する(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 本日、イラク派兵の準備のために、航空自衛隊の先遣隊の派遣が強行された。「戦地」であるイラクへの自衛隊の派遣が具体的な行動によって開始されたのである。社民党は、平和憲法を踏みにじり、政府みずからが決めた「イラク特措法」にすら違反して、派兵を強行する小泉内閣の暴挙に満身の怒りを込めて抗議する。

  2. 航空自衛隊の活動地域であるバクダッド空港は、これまで幾度も航空機に対するミサイル攻撃が行われており「戦闘地域」そのものである。「非戦闘地域」での活動を定めた「イラク特措法」に違反することは明らかである。「武器、弾薬」の輸送は行わない、としているが、それをどのように担保するのかについてはまったく明示されていない。「武器、弾薬」は輸送しないと言いながら、「武器を携行する兵員」の輸送は可能とする政府の見解にいたっては支離滅裂とでも言うほかない。

  3. また、米軍の「兵員や物資の輸送」が米軍の行動計画に基づいて行われることは自明の理であり、軍事行動の一体化として集団的自衛権の行使にあたることも明らかである。圧倒的な国民の反対の声に背を向け、憲法や法律に違反してまでイラクの「戦地」へ自衛隊を送る小泉内閣のありさまはブッシュ政権への「追従とおもねり」以外のなにものでもない。

  4. 小泉内閣は、平和国家としてわが国の姿、形をまた一つ大きく塗り替えてしまった。イラクへの派兵は、小泉首相の強弁とは裏腹に、国際社会や中東諸国におけるわが国への信頼を失墜させ、それこそ「国際協調」に反し、「国益」を大きく損なうものと断じざるを得ない。わが党は、イラクへの自衛隊の派兵に断固反対し、阻止に全力をあげる。イラクの復興支援は、米英の占領行政から国連主導の復興支援体制に転換させ、イラク人による政権樹立が早期に展望される中で、あくまで非軍事、人道支援に徹することこそ、平和憲法を生かし、イラクの人々や国際社会の期待に添うものであることをあらためて強調したい。