2003年7月1日
衆議院議員 森 喜朗 様
6月26日、鹿児島市内で開かれた公の討論会において、貴方、森喜朗議員は「子供を沢山作った女性が、将来国がご苦労様でしたといって、面倒を見るのが本来の福祉です。ところが、子供を一人も作らない女性が、好き勝手、と言っちゃなんだけど、自由を謳歌して、楽しんで、年とって・・・税金で面倒見なさいというのは、本当におかしいですよ」と発言した。
この発言を聞いて、連想するのは、戦前・戦時中、「産めよ殖やせよ」が国策であった時代に、国が行った優良多子家庭の表彰、「子宝部隊」の奨励である。当時、女性は子供を産む道具に過ぎなかった。
貴方の発言は、子どもを産まない、産めない女性は、社会の役にたたないと言っているに等しい。女性の役割を、子産み子育てに限定する女性蔑視、女性差別発言にほかならず、日本も批准している女性差別撤廃条約に反している。
また、納税義務を果たしている単身女性を無視する発言であり、全ての国民に公平であるべき福祉の理念を著しく曲解している。国会議員としての資質を著しく欠いた悪質な発言と言わざるを得ない。
社民党は、貴方の発言に強く抗議する。さらに猛省を促し、認識を改めるとともに、発言の撤回及び謝罪を要求する。
社会民主党国会議員一同