朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のNPT脱退表明についての申し入れ
2003年1月14日
内閣総理大臣 小泉純一郎殿
社会民主党全国連合
党首 土井たか子
北朝鮮政府が1月10日に、NPT(核拡散防止条約)からの脱退とIAEA(国際原子力機関)の核査察協定からの離脱を表明しました。社民党は、あらゆる核の廃絶を求める立場から、今回の北朝鮮政府の決定を厳しく批判し、決定の撤回と核開発計画の断念を求めるものです。
NPT脱退表明に至る北朝鮮の一連の措置は、1994年の米朝枠組み合意を完全に崩壊させ、朝鮮半島と北東アジア地域に再び、緊張をもたらしかねない事態だと憂慮します。北朝鮮が国際社会の合意に復帰し、核開発を直ちに断念するよう、政府に対して以下の点を要請いたします。
記
- 北朝鮮の核開発はNPT条約などの国際合意、南北の合意の下で発効した「朝鮮半島非核化共同宣言」に加え、朝鮮半島の核問題について「関連するすべての国際的合意を順守する」とした「日朝平壌宣言」の内容にも背くものである。したがって、政府は北朝鮮に対して、「宣言」の趣旨を尊重して核開発を断念し、核施設を再び凍結するよう強く要求すべきである。
- 今回の核開発問題について、日本を含めた近隣及び関係国が、北朝鮮との対話を粘り強く追求し、平和的な手段によって問題解決を図ることが重要である。この点、先の日米韓三ヵ国による政策調整会議の共同声明に基づき、日本政府は米国に対し、北朝鮮との間で核問題についての対話を直ちに開始するよう求めるべきである。
以上