靖国神社参拝についての抗議と申し入れ

2003年1月14日

内閣総理大臣 小泉純一郎殿

社会民主党全国連合
党首 土井たか子

 本日、小泉首相は、就任以来三度目となる靖国神社参拝を行ないました。政治家の靖国神社参拝は、憲法の「政教分離の原則」などに違反するものであり、社民党はこれに強く抗議するとともに、小泉首相が近隣諸国との友好と信頼醸成を基礎にした外交姿勢に徹するよう求めます。

  1. 靖国神社参拝は、政教分離などを規定した憲法の内容に違反する。同時に、中国、韓国などの近隣諸国が強い懸念を示しているように、A級戦犯を合祀した靖国神社への参拝は、侵略の事実に目を閉ざした首相としてあるまじき行為である。

  2. 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のNPT脱退表明により、北東アジア地域に再び緊張が高まり多国間協力が必要となる中、参拝を強行した姿勢は、近隣諸国との友好、協調と信頼醸成に水を差すものといわざるを得ず、到底理解しがたい。

  3. 福田康夫官房長官の私的諮問機関である「追悼・平和のための記念碑等の在り方を考える懇談会」が昨年12月24日、戦没者追悼のため、無宗教の国立追悼施設を建設すべきだとする報告書を取りまとめている。今回の小泉首相の靖国神社参拝からは、この報告書の内容を尊重し、検討を加えた素振りが微塵も感じられない。小泉首相は、自らの行動を厳しく反省し、靖国神社参拝を繰り返すことなく、国民の合意に基づく国立追悼施設の建設を真剣に検討するよう求める。

以上