社民党の福島瑞穂幹事長と中川智子、阿部知子の両衆院議員は1月23日、木村義雄・厚生労働副大臣と面会し、障害者の支援費制度について要請しました。土井たか子党首名の要請書は以下のような内容です。

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2003年1月23日

厚生労働大臣 坂口 力 様

社会民主党
党首 土井 たか子

支援費制度に関する緊急申し入れ

 障害者の支援費制度は、ノーマライゼーションの理念のもと、障害者の自己決定に基づきサービスを選択する制度として、準備が進められてきました。

 しかしながら貴省は、制度開始直前になって方針を転換し、ホームヘルプサービスの利用時間に上限を設ける事、「市町村障害者生活支援事業」および「障害児(者)地域療育等支援事業」の国庫補助金を打ち切り一般財源化することを打ち出しました。

 この方針転換は、支援費制度移行にあたってサービス水準の低下は無いとしてきた約束を破り、障害者の地域での生活を事実上不可能にするものです。障害が重い人は病院や、施設に行かなければならなくなり、脱施設化・地域福祉推進を目指す「新障害者プラン」の理念にも大きく逆行します。

 これについて、貴省は、サービスの支給量を決定するのは自治体の責任であって国には責任がないとの見解ですが、すべての人に最低生活水準を保障することは、まさに国の責務に他なりません。

 社会民主党は、障害者の地域での自立生活の実現を目指す立場から、貴省の方針転換に強く抗議し、以下について申し入れます。

  1. 障害者が地域で生活するためには、必要なホームヘルプサービスが受けられなければなりません。地方自治体での利用制限につながる、国庫補助金への一律的な上限設定を行わないこと。

  2. 「市町村障害者生活支援事業」「障害児(者)地域療育等支援事業」は、支援費制度において役割は極めて重要です。これらの事業の推進を図る為に、国庫補助金を打ち切り一般財源化をしないこと。

  3. 上記の事項は、障害者の生活権をゆるがす重大な問題であり、障害者団体や地方自治体との十分な話し合いを持つこと。