2003年3月18日

党声明

社会民主党

  1. 本日、米国のブッシュ大統領は、イラクの大量破壊兵器の廃棄について外交的努力を打ち切り、イラクに最後通告を突きつけた上で、国連決議抜きの早期開戦に踏み切る姿勢を明らかにした。小泉首相も、決議抜きの戦争を支持する態度を正式に示した。対イラク戦争には道理も法的根拠もまったくない。問題解決を戦争、武力行使という手段に訴えようとする米国、これを支持する日本政府の選択は、21世紀を「平和の世紀に」と期待する世界の人々の願いを踏みにじり、時計の針を逆戻りさせる暴挙と言わざるを得ない。社民党は、わが国政府に対して強く抗議し、対イラク戦争に断固反対することを表明する。同時に、国際社会がなお、戦争回避に向けて努力するよう訴える。

  2. 国連査察団の追加報告は、数ヶ月間の査察の継続を求めた。これを拒否すること自体が国連軽視にほかならず、安保理決議なしの先制攻撃は明確な国連憲章違反であり、国連の秩序、役割と機能を根底から覆すものとして深い憂慮の念を抱く。また米国の意図が大量破壊兵器の廃棄や武装解除にあるのではなく、イラクの政権転覆にあったことが明らかになりつつある。圧倒的な軍事力を背景に、自らの価値観に反するものは武力で排除しようという米国の単独行動主義は、国連及び対話と協力、信頼と協調を柱にした冷戦後の国際秩序への挑戦と受け止めざるを得ない。

  3. 小泉内閣は、国連の場では武力行使を前提とした新決議案への支持を表明する一方、国会においては武力行使の是非について一切、口を閉ざしてきた。米国支持・米国追随という結論を持ちながら、明確な態度表明を行なってこなかった小泉首相の姿勢は、国会と国民をあざむき、愚弄するものである。最低限の説明責任すら果たさない小泉内閣は、一国の外交責任が委ねられている政権の体を、もはやなしていないと指摘する。社民党は、国際紛争解決の手段として国権の発動たる戦争と武力による威嚇、行使を永久に放棄することを明記した憲法の精神に反し、なおかつ明確な説明を欠いたままで戦争支持を打ち出した小泉内閣の責任を追及し、退陣を強く迫るものである。