2004年1月16日

陸上自衛隊先遣隊の派兵について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 又市征治

  1. 本日、陸上自衛隊先遣隊がイラクに派遣された。戦後初めて、戦地に自衛隊が足を踏み入れ、占領軍を支援することになる。そればかりか、テロが頻発する現下のイラク情勢の下では、米英軍と共に地上戦を一緒に行なうことにすらなりかねない。交戦権を否認した憲法を、首相と政府・与党が率先して踏みにじったことは、平和国家としての歩みの大転換であり、言語道断の暴挙だと言わざるを得ない。

  2. 政府は形式的な手続きを重ねて自衛隊派兵の準備を進めてきたが、小泉首相と政府は「日米同盟の重要性」を繰り返すだけで、大義を欠いた戦争を支援するために、なぜ自衛隊を派兵しなければならないのか、納得できるような説明は一切していない。政府の姿勢は、説明責任を放棄して国会と国民を軽視し、愚ろうするものである。

  3. 小泉首相は年頭の記者会見などで、イラクには「非常に危険な地域もある」あるいは「決して安全とは言えない、危険を伴う困難な仕事であろう」と述べている。また来日した米国のマイヤーズ統合参謀本部長も「イラクでの活動に危険が伴わないことはない」と語り、イラク全土が危険であることを示唆した。しかしイラク特措法は、自衛隊の活動を「非戦闘地域」に限定し、自衛隊の「安全の確保に配慮しなければならない」と明確に定めている。イラク派兵は憲法だけでなく、イラク特措法にも違反するものである。

  4. 政府は派兵に際し、記者の現地入りを含めた取材の自粛要請を行ない、三幕僚長の定例会見の廃止を打ち出した。明確な報道規制、情報隠しであると同時に、政府側から一方的な情報提供を行なうことを目論んでいるのだとすれば言語道断だと言わざるを得ない。社民党は「自衛隊派兵ありき」の姿勢に立つ政府・与党を国会で追及していくと共に、派兵に強い懸念を抱く広範な市民の方々と連携し、自衛隊派兵を断念させるためにあらゆる行動を展開していく決意である。

以上