2004年3月9日

有事関連7法案の閣議決定について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 又市征治

  1. 本日、政府は国民保護法案など有事関連7法案を閣議決定した。関連法案は憲法の平和主義にとどまらず、基本的人権の尊重と国民主権、さらには地方自治などの諸原則を著しく制約する国民規制法案、米軍支援法案の性格を色濃くしている。「有事」を理由に国家が国民の財産や権利を自由に制限できるという発想は、戦前の国家総動員体制につながる危険な道であり、断じて容認できない。社民党は武力攻撃事態法などに続く有事法制の整備に断固として反対する。

  2. 国民保護法案は、「国民保護」の名称とは裏腹に協力を拒否した場合に刑事罰を科すなど、国民に対し一方的に戦争協力を強制するものである。生命や財産の保護、思想・信条の自由よりも自衛隊や米軍の行動が優先されていることは一目瞭然である。

  3. 米軍支援法案とACSA(日米物品役務相互提供条約)改定案では、これまで周辺事態法やテロ特措法でも排除されてきた米軍への武器・弾薬の提供を武力攻撃事態はおろか予測事態でも認めるなど、憲法の禁じる集団的自衛権の行使に強く踏み出している。同様に海上輸送規制法案でも、領海内での重大犯罪がなくても公海上で第三国の船体への危害射撃を可能とするなど、交戦権の行使に抵触しかねない内容をはらんでいる。憲法とは別体系の法制度で、事実上の「改憲」に踏む込むことは許されることではない。

  4. 昨年の通常国会における武力攻撃事態法案など有事三法案の審議では、多くの疑問点が払拭されないまま、国会場外での修正協議を待って、即委員会採決という事態となった。憲法の理念や原則に真っ向から対立するような重要法案であるだけに、国会の審議を軽視するようなことが再び繰り返されてはならない。審議を尽くすことは国会の責務であり、関連法案の徹底審議は最低限の条件であることを強く指摘する。

以上