2004.3.19

米英のイラク侵攻から1年を迎えて(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 米英両国がイラクに武力侵攻を開始してから1年が経過した。米英が「戦争の大義」とした大量破壊兵器は1年を経た今日においても発見されていない。むしろ米政府の関係者などの証言によって、「大量破壊兵器の廃棄」が戦争をはじめるための口実に過ぎなかったことが次々と明らかにされている。米英両国がイラクに対して行ったことは、多数の市民の殺戮であり、街とライフラインの破壊であり、政治と市民生活の混乱である。

  2. この米国の「大義なき戦争」を無条件に支持し、平和憲法を踏みにじって「戦場」であるイラクに自衛隊の派遣を強行し続けているのが小泉内閣である。自衛隊の派遣は、「復興・人道支援」に名を借りた米国への加担と追随以外のなにものでもない。いまだ戦闘状態が継続する中で占領行政に対する不満が爆発し、反米感情が高まるイラクにあっては、自衛隊をも危険にさらしかねないものといわなければならない。

  3. スペインの総選挙において、「イラクからの撤兵」を主張する社会労働党が勝利した。無論、スペインにおける大規模テロも含め、いかなるテロも断じて許されるものではない。同時に、「対話」を閉ざし「武力」をもって事にあたるという超大国のありようがテロに口実を与えていることも指摘しなければならない。今こそ国連を中心とした多国間協調によって、貧困や差別、経済格差など根源的なテロの原因の根絶に努力するときである。

  4. わが党は改めて主張する。イラクの真の復興への道は、ただちに米英の占領行政を中止し、国連主導の復興支援体制を確立することとイラク人の自主的な政府の早期樹立以外にない。そして、わが国政府は、自衛隊を即刻撤退させ、国連主導のもと、「非軍事・民生・人道支援」に徹してイラクの人々の期待に応えるべきである。