2004年3月25日
無年金障害者の放置を違憲とした東京地裁判決について(談話)
社会民主党全国連合
幹事長 又市征治
- 昨日、東京地裁は20歳を過ぎた学生時代に障害を負った元大学生が、国民年金未加入を理由に障害基礎年金の支給を拒否されたのは違憲だとして、4人の原告の請求をほぼ全面的に認め、1人に不支給処分の取り消しを命じ、それ以外の3人については損害賠償請求を認める判決を下した。判決は憲法25条で保障された生存権、同14条の法の下の平等を踏まえた画期的なものである。
- 国および社会保険庁は、判決を重く受け止め、控訴を断念し必要な措置を講じるべきである。同時に、判決は1985年の法改正時に、国が学生を年金制度に加入しやすくする制度を整備しなかったことは「立法の不作為」にあたるとした。国は判決を踏まえ、全国8ヵ所で争われている学生無年金障害者訴訟の原告団を始め、この他にも全国で4000人に達するとされる学生無年金障害者に対し、障害者年金を支給するための法改正に直ちに取り組むべきである。
- 今回の学生無年金障害者以外にも、保険料が未納だった障害者、国籍要件撤廃前に障害者となった在日外国人など、多くの無年金障害者が存在している。これらの方々への障害者年金適用も大きな課題である。また、現行の年金制度の下で、国民年金保険料の未納者が4割に達していることは周知の通りである。しかし、政府・与党の年金制度改革案では、これら年金制度の空洞化にまったく手をつけないばかりか、負担増・給付減によって保険料未納者を増加させることさえ、予想される。社民党は、無年金障害者への年金給付と同時に、ライフスタイルに中立で誰もが最低限、安心して暮らすことのできるよう、年金制度の抜本改革に取り組む決意である。
以上