2004年4月15日

人質にされた3人の解放について(談話)

社会民主党
党首 福島みずほ

  1. 本日、イラクの武装グループによって拘束された3人の日本人が、無事解放された。社民党は、事件の発生以来、政府が人命尊重を第一として3人の解放に全力を挙げるよう求めてきた。同時にご家族との面談を重ねた上で、3人は即時解放されるべきだというメッセージを、イラク国民に直接届けるなどの努力を行なってきた。3人が無事に解放されたことについて、ご家族、そして3人の解放に尽力されてきた関係者と共に喜びを分かち合いたい。同時に、新たに人質にされたと思われる2人の日本人も、直ちに解放されることを望む。

  2. 3人の解放にあたっては、政府の対応とは別に、3人はイラクの人々のために活動してきたというご家族の訴えと、日本の国民のすべてがイラク戦争や自衛隊派兵を支持しているわけではないという市民運動やNGOの声が、大きな影響をおよぼしたのではないかと考える。

  3. 犯人側の行為は断じて許されるものではない。しかし、大義も正当性もないイラク戦争を無条件に支持し、憲法に反してまで自衛隊派兵を強行した小泉首相と政府の誤った判断が、今回の事態を招いた側面は否定できない。また、政府が早い段階で自衛隊撤退の意思がないことを表明したことやご家族との面談を拒絶してきたことにも、強い疑問を抱かざるを得ない。

  4. イラク戦争と米英主導の占領統治、暫定政府づくりに対し、イラク国民の不満は非常に高まり、サマワの自衛隊宿営地も迫撃弾で狙われたように、イラク全土で再び、戦闘が激化している。社民党は一貫して、イラク戦争と自衛隊のイラク派兵に強く反対してきたが、「非戦闘地域に限る」としたイラク特措法にすら違反する自衛隊の活動を直ちに中止すべきである。自衛隊をイラクから即時撤退させ、占領統治から国連主導の復興支援への転換のために外交努力を強めるべきだと、改めて政府に強く要求する。

以上