2004年6月28日
イラクへの主権移譲にあたって(談話)
社会民主党
党首 福島みずほ
- 本日、イラクで予定を早めてCPA(連合国暫定当局)からイラク暫定政府へ主権が移譲した。イラクの人々によるイラク国家の再建は当然のことであるが、当面は治安維持が最大の課題であり、その中心を担うのが依然として米軍であることに強い懸念を抱かざるを得ない。
- 主権移譲を前にイラクではテロが頻発し、治安が極度に悪化している。いかなる理由をつけようともテロは絶対に許すことはできないが、米軍による占領統治が治安を悪化させる大きな要因になっていることは疑いない。このことは、ファルージャでの無差別攻撃、アブグレイグ刑務所での虐待などにより、イラク国民の9割が、米軍は解放者ではなく占領軍だとみなし、過半数の人が、米軍が撤退すれば治安は回復すると答えていることに表れている。日本政府は米国に追随するのではなく、イラクで国民選挙が実施されるまでの間、国連が復興支援の中心になるよう外交努力を進めるべきである。
- また、主権移譲によって、国会の承認すらないまま自衛隊が多国籍軍に加わることになった。米軍が指揮する多国籍軍に参加することは、憲法上、断じて許されない。しかし、小泉首相はこの間、憲法との関係、指揮権の問題などで国民が納得いく説明は一切せずに開き直りに終始している。もし、今回のような事態が許されることになれば、今後も自衛隊は無条件に多国籍軍に参加し、憲法を空洞化させていくことになりかねない。社民党は現在戦われている参議院選でも引き続き、自衛隊の多国籍軍参加への反対を訴え、自衛隊のイラクからの撤退を求めていく。
以上