2004年8月5日

坂口力厚生労働大臣の不信任案否決について(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 本日の衆院本会議で、野党三党が共同で提出した坂口力厚生労働大臣に対する不信任決議案が、与党の反対で否決された。強行した年金改悪に対する国民の批判が続く中、これを放置する坂口厚労相の不信任案を否決したことは、昨日の年金改革法廃止法案の否決に続き、民意を踏みにじる与党の姿を端的に示したものである。

  2. 政府の年金改革法は、将来の財政計算の基礎となる出生率が政府の見込みを大幅に下回ったことに加え、先ごろ発表された国民年金保険料納付率も64.4%にとどまり、「07年には納付率80%」という前提が根底から崩れようとしている。この点だけを取り上げても、早くも年金改革の見直しは避けられない状況にある。事実にほお被りしてまで、強行した年金改悪に固執する坂口大臣の姿勢が、不信任に値するのは当然である。

  3. また、日歯連問題で橋本派への1億円裏献金が発覚したように、医療・厚生行政を舞台にした特定団体と議員の癒着関係に徹底的にメスを入れようという姿勢も、坂口大臣からは微塵も感じられない。さらに国民健康保険課の職員が国保関連の事業で2000年度以降に1億8000万円に達する「監修料」を受け取っていたことが明らかになるなど、所管省庁での相次ぐ不祥事に対する責任も厳しく問われなければならない。

  4. 今臨時国会で、国民の圧倒的多くが求めた年金改革法の白紙撤回は与党の手によって葬り去られ、数々の疑惑についてもフタがされた。社民党は、世論に背を向けて政治不信、年金制度への不信を増幅させる政府・与党を厳しく追及すると同時に、安心・安定の社会保障制度改革に全力を挙げる。

以上