2004年11月5日
元衆議院議員鈴木宗男被告の有罪判決について(談話)
社会民主党全国連合
幹事長 又市 征治
- 製材会社から林野庁への口利きを依頼され500万円を受け取ったとするあっせん収賄罪、開発局工事に係わり600万円を受け取ったとする受託収賄罪に加え、政治資金規正法違反(虚偽記載)、議院証言法違反(偽証)の4つの罪に問われた元北海道開発庁長官・元衆議院議員鈴木宗男被告に東京地裁は懲役2年・追徴金1,100万円の実刑判決を下した。鈴木被告にかけられた容疑は疑惑の一端に過ぎず、鈴木被告には判決を重く受け止め事件の全貌を明らかにすべき責任がある。同時に一人鈴木被告に関する判決ではなく、疑惑に答えることなく、国民を欺き続けてきた自民党そのものの政官業癒着、金権腐敗体質に対する断罪であり、自民党・小泉政権は自らのこととして猛省すべきである。
- 本来、政治家をめぐる疑惑については、国会がその解明に全力を尽くし、責任の所在と再発防止に向けた手立てを明確にすることこそ国民に対する責務である。振り返ってみると、支援委員会やODAをめぐる様々な疑惑の全容を解明するための再証人喚問を拒み、議員辞職勧告決議案の本会議上程を二度も葬り続けてきた。いままた日歯連疑惑についても、与党は証人喚問や予算委員会の集中審議に全く応じようとはせず、国会の自浄能力の発揮を否定し、国民の政治不信を拡大し続けていることは断じて許されない。
- 鈴木事件を契機にした世論の高まりに対し、与党は公共事業受注企業からの献金規制についてポーズを示すだけで、結局はあっせん利得処罰法の「骨抜き改正」でお茶を濁してきた。そして今回も政治資金規正法について、小手先の弥縫策で疑惑に幕を引こうとしている。「自民党をぶっ壊す」と言いながら、政治改革に背を向け、スローガン倒れで実態には何も切り込まず、金権腐敗体質を隠し温存しようとする自民党・小泉政権の政治姿勢は何ら変わっていない。
- 近年の「政治とカネ」をめぐる事件や疑惑は、同じ構造の繰り返しであり、政官業癒着構造や政権党の金権腐敗体質自体にメスを入れる、政治の「構造改革」こそ必要である。社会民主党は、「政治とカネ」に対する国民の信頼回復を目指し、関係者の証人喚問をはじめとする日歯連疑惑の徹底解明はもとより、再発防止のための政治資金規正法の強化改正の実現に向け、他の野党と結束して全力をあげるものである。