2004年12月21日
六ヶ所村再処理工場におけるウラン試験開始について(談話)
社会民主党
幹事長 又市征治
- 日本原燃は本日、青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の稼働試験を開始した。薬品を使う化学試験に次ぐ試験運転の第2段階で、初めて劣化ウラン53トン(ウラン換算)の放射性物質を使用した。社民党は、六ヶ所再処理工場稼働のためのウラン試験開始に、強く抗議するものである。
- 使用済み燃料からプルトニウムを分離することが、再処理工場の目的であるが、すでに日本は利用計画を示せないほどの大量のプルトニウム在庫を抱えており、その量は約40トンに達している。これほど大量の余剰プルトニウムを抱えながら、再処理をすすめる必要はまったくない。
- 六ヶ所工場の建設費は計画当初(事業許可申請時には7600億円)の3倍の約2兆2000億円に達しており、今後も再処理工場とMOX工場の建設・運営のためさらに莫大な費用が見込まれている。試験でトラブルが生じて操業が延期されることがあれば、コストがさらに膨らむことは避けられない。このような事実を明らかにしないまま、負担を国民に転嫁させることは断じて許されるものではない。
- JCO臨界事故(死亡2名)、美浜原発3号機配管破裂事故(死亡5名)、東海再処理工場アスファルト固化施設火災爆発事故、高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故など、事故・トラブルの連発によって、原子力の安全性に不安を感じている人は、青森県民の8割以上に達している。六ヶ所再処理工場でも、すでに使用済み核燃料貯蔵プールの不正溶接問題を始めとして、多くの問題が明らかになっており、今回の稼働試験開始は拙速といわざるを得ない。住民の不安に誠実に応えることは政府と事業者の最低限の責任である。
- 需要もないまま六ヶ所工場を稼働させ、さらに使用済み燃料は中間貯蔵するがその先は何も分からないという、現在の無責任な政策は、使用済み燃料対策、核廃棄物対策をただ先送りし、問題を混乱させるものといわざるを得ない。社民党は、政府と原子力関連事業者に対して、核燃料サイクル政策の破綻を認め、再処理計画を直ちに中止することを求めるものである。
以上