2004年7月27日

アメリカ合衆国大統領
 ジョージ・W・ブッシュ 閣下
駐日本アメリカ合衆国大使
 ハワード・H・べーカー 閣下

アーミテージ国務副長官の発言に関する申し入れ

社会民主党全国連合 
党首 福島 瑞穂 

 貴国のリチャード・L・アーミテージ国務副長官が、訪米中の日本与党幹部に対して発言した内容が日本国内で報じられ、波紋を広げている。7月21日、ワシントンで中川秀直自民党国対委員長らと会談したアーミテージ氏が、集団的自衛権の行使を認めない日本国憲法第9条が「日米同盟の妨げになっている」、「国連安保理の常任理事国は、国際的利益のために軍事力を展開しなければならない。それができなければ常任理事国入りは難しい」などと述べたとされるもので、これが事実とすれば看過できない重大な問題である。

 アーミテージ氏の発言について、社会民主党として強い遺憾の意を表明し、以下の点について申し入れるものである。

  1. 日本国憲法は国連憲章の理念に完全に合致しており、日本は現行憲法の下ですでに国際社会の一員としての十分な役割を果たしている。日本がどのような憲法を持つのか、またその憲法の下で国際社会におけるどのような役割を担おうとするのかは互いに別のことであり、ともに日本国民が決める問題である。

  2. アーミテージ氏の発言は、日本国内で議論が続いている最中の憲法問題について、米国の利害を押しつけようとするものであり断じて容認できない。憲法の問題はあくまで日本人自身が決める問題である。アーミテージ氏は日本の政界に強い影響力を持つ現職のアメリカ合衆国国務副長官であり、その発言は個人的見解として済まされるものではない。

以上