2004年8月12日 

経済産業大臣
 中川 昭一 様

社会民主党     
党首 福島 みずほ 

美浜原発事故に関する申し入れ

 福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機(加圧水型/82・6万キロワット)で、8月9日午後、二次冷却水の配管が破断し、作業員11名が死傷するという痛ましい事故が起きた。高温高圧の水流によって配管が削られる「減肉摩耗」が原因と考えられ、800トンもの冷却水が流出したとのことである。

 原子力安全・保安院は、事故の程度を国際原子力事故評価尺度(INES)で「0+」と暫定評価したが、放射性物質を含まない二次系冷却水の喪失であっても一次系の冷却能力に影響し、場合によっては一次系冷却材喪失事故につながる可能性も大いにある重大事故であり、決して過小評価しようとすることがあってはならないものである。

 奇しくも長崎に原子爆弾が投下された同じ日に起きた、日本原子力史上最悪の今回の事故に際して、社民党として犠牲となった方々に深い哀悼の意を表するとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りし、あわせて以下のことを申し入れるものである。

  1. 被害者に対して十分な補償を行なうこと。また、事故の責任を明確にし、厳正に処罰すること。事故原因の究明は第三者的体制によってあたり、完全な情報公開を行なうこと。

  2. 全国の同型炉のすべてを停止し、総点検を行なうこと。老朽炉の安全管理を徹底し、設計寿命を超えた無理な長期運転を行なう計画を断念すること。

  3. 定期検査の対象を見直し、再発防止をはかること。運転中に多くの作業員をタービン建屋に入れ、定期検査の準備作業を行なわせるような安全性軽視の定期検査のあり方を根本から見直すこと。

  4. 原発事故時の緊急医療体制の一層の整備を行なうこと。

以上