2005年1月19日
クルド難民の親子2人に対する強制送還を批判する(談話)
社会民主党
党首 福島みずほ
- 法務省入国管理局は18日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がマンデイト難民と認定したクルド人の親子2人をトルコへ強制送還した。国連の難民条約を批准しながら、UNHCRが認定した難民を強制送還させるのは初めての事例である。条約締結国としてUNHCRへの協力を怠り、強制退去処分の取り消しを求めて最高裁で係争中の親子を強制送還させたことは極めて不当である。社民党は今回の政府の措置を厳しく批判する。
- 親子2人が強制送還される一方、妻と次男、3人の娘は日本に残されており、家族がバラバラの状態にさせられていることも、人道的見地から大きな問題である。また親子2人が東京入国管理局に17日に出頭した際、直ちに収容して翌日には強制送還してしまうというやり方も極めて乱暴である。
- 現在までトルコ系クルド人は、トルコ国内での人権侵害事例が後を絶っていないにも関らず、一人も難民として認定されていない状況にあることも大変憂慮すべき事態である。
- 政府は、送還されたクルド難民親子2人の身柄の安全を確保すると同時に、日本に残された家族の強制送還を停止し、適切な措置を講じるべきである。また、今後二度とこのような事態を繰り返すことのないよう、難民保護の観点からUNHCRの勧告や判断を十分尊重することを強く求める。社民党は、こうした状況に関し、日本に保護を求めてきた申請者に対し適切に対応するよう再三訴え行動してきたが、改めて、国際人権スタンダードに則った一刻も早い改善を求めたい。
以上