2005年3月2日
来年度予算案の衆議院通過にあたって(談話)
社会民主党
幹事長 又市征治
- 本日、来年度予算案が与党の賛成多数で衆院本会議を可決、通過した。焦点となっていた日歯連事件の解明には手が付かず、定率減税の半減を含む増税・負担増の予算案審議はまったく不十分なままで委員会採決、衆議院通過に及んだことは大変に遺憾である。予算成立の出口から逆算するかのように採決日程を設定し、十分な審議時間を保証せず、疑惑隠しに汲々とする与党の姿勢は、徹底審議という国会の使命をないがしろにしたものと言わざるを得ない。
- 日歯連事件で、1億円の受け渡しの場に橋本元首相、野中元幹事長、青木参院会長が同席して中身を確認していたこと、旧橋本派においてヤミ献金や政治資金パーティの売り上げなどが裏金としてプールされ選挙闘争資金に充てられていたことなどが関係者の公判で次々と明らかになった。検察審査会が橋本元首相らの不起訴は不当とする決定を行なったのも当然である。にもかかわらず、与党が政治とカネの問題に「誠実に対応する」とした約束を守らず、野党の証人喚問要求を拒否し続けてきたことは言語道断であり、国民の政治不信を助長させた責任は極めて重い。
- 来年度予算案は定率減税の半減を始め、配偶者特別控除の部分的な廃止、住宅ローン減税の縮小のほか、年金改悪によって国民年金、厚生年金の保険料が値上げされるなど、増税・負担増に明確に舵を切った国民生活破壊型の欠陥予算案である。これに加え、温存された都市型大規模公共事業、ミサイル防衛(MD)やイージス・システムの整備に見られる軍事力の質的な強化など問題点は山積している。生活と平和の破壊に突き進むような予算案ではなく、大規模公共事業の在り方などを徹底的に見直し、雇用・失業対策、安心・安全の社会保障の実現を柱とした「生活再建」最優先の予算案に組み換えることが急務の課題である。
- 舞台は今後、参院段階に移るが、自民党の政官業癒着体質をただし、国民の政治への信頼を回復させることは政治に課せられた責任である。社民党は、橋本元首相ら日歯連事件関係者の証人喚問に全力を挙げると共に、他の野党とも協力しつつ、所得格差や地域間格差など社会のあらゆる分野で格差が拡大する中、ただひたすらに国民に負担増を押し付けるだけの政府予算案の問題点を浮き彫りにさせていく。
以上