2005年4月4日
郵政民営化関連法案の骨子について(談話)
社会民主党
幹事長 又市征治
- 本日、政府は関係閣僚が協議し、郵政民営化関連法案について与党の合意がないまま骨子を決定した。骨子は2007年に郵政公社を民営化して4分社化するものであり、焦点の1つであった3事業の一体性については、「首相裁定」によって民営化から10年後に郵貯と保険の全株処分、すなわち完全に「民営・民有」とすることになった。「首相裁定」といえば聞こえはいいが、自民党との間で民営化についての合意がないまま法案化を進める手法は前代未聞であり、リーダーシップをはき違え、国民を置き去りにした政治の暴走そのものである。
- そもそも、国民には「なぜ民営化なのか」がまったく説明されないまま、政府は郵政事業の組織いじりに終始している。政府は当初、郵政3事業が「民業を圧迫」しているから民営化が必要だとしていたが、自民党との協議では民営化によって、年間3300億円から9300億円もの利益が生まれると説明している。もし本当に、毎年このような巨額の利益が生まれるのだとしたら、それこそ民営化は「民業圧迫」そのものであり、政府の説明は矛盾に満ちている。
- 骨子は、全国的に郵便局を設置することを法律で義務付けるとしたが、それならば全国あまねく郵便局を設置しなければならないとした現行の郵政公社法と変わりがない。他国の例を見ても、失敗例が顕著な郵政事業の民営化に、拙速に取り組む理由はどこを見ても見当たらない。
- 4月中にも法案提出の予定といわれているが、政府・与党が一体で責任を負える内容でない法案は審議に値しない。社民党は、公社化のまま全国2万4000箇所の郵便局のネットワークと郵政3事業をユニバーサル事業として維持しつつ、特定郵便局長制度や郵政ファミリーの問題にメスを入れ、徹底した情報開示や国民の意見反映の実現、財政投融資制度の在り方の見直しなどの改革を提言していく。
以上