2005年4月27日
郵政民営化関連法案の閣議決定について(談話)
社会民主党
幹事長 又市征治
- 本日、郵政民営化関連法案が閣議決定された。関係閣僚で法案骨子を決定して以来、与党第1党である自民党内で、民営化の是非という根本問題についてさえ、党内合意が得られていないことが白日のものとなった。国民の共有財産としての郵政事業と郵貯・簡保合わせて約350兆円もの巨額の資金の将来を決定する重大問題について、政府と与党が一致して責任を負うことのできないような法案を、会期末までごくわずかの審議日程で、強引に成立させることなど許されるものではない。
- この間の自民党内の混乱は、まさに郵政事業を自民党内の政争の具にするものであった。郵政民営化を盾に、「改革勢力」対「抵抗勢力」の対立を演出し、政権維持の道具にする小泉首相の手法は、国民不在の劇場政治そのものである。政府と自民党との間で強引に「合意」を取りつけたことで、国会審議が始まる前から郵政民営化問題が決着したかのような印象を与えることも大きな問題である。
- 郵貯、保険両会社の2017年完全民営化は崩さないとする一方、持ち合い株式の連続的保有は妨げない、完全民営化後も両会社と窓口会社との間の代理店契約は延長できる、全国一律の金融サービスの維持のための基金を1兆円規模から2兆円に増額するなどとした政府・自民党間の修正協議の結果は、民営化とは名ばかりで現在の郵政事業をただ、複雑で分かりにくくしたものに過ぎない。
- 今日までのところ、なぜ民営化が必要なのか、納得いく説明は政府から一切なされていない。他国の例を見ても、失敗例が顕著な郵政民営化に拙速に取り組む理由はなく、「民営化ありき」に立った乱暴な組織いじりは容認できるものではない。党は公社制度の下で郵便局のネットワークと郵政3事業をユニバーサルサービスとして維持し、特定郵便局長制度や財政投融資制度の在り方の見直しなど、必要な改革に取り組むべきとの立場から、郵政民営化に反対していく。
以上