2005年5月10日
在外被爆者訴訟広島地裁判決について(談話)
社会民主党
幹事長 又市征治
- 被爆者援護法に基づく健康管理手当てや葬祭料などの支給をめぐり、海外からの申請を却下したのは違法として米国在住の被爆者と遺族が起こした訴訟で、広島地裁は本日、申請却下処分を取り消す原告勝訴の判決を言い渡した。葬祭料などの支給は法定受託事務であることから、被告である広島市だけでなく政府も判決を尊重し、控訴を断念すべきである。
- 昨年来、健康管理手当てや葬祭料の海外申請を認める地裁判決が相次いだが、今回の広島地裁判決は、手当てなどの支給にあたり、渡航困難な被爆者にも来日を義務付けるなどとした被爆者援護法施行規則や施行令について「法の委任の範囲を逸脱し無効」と明確に断じた上で、「国外に居住する被爆者でも直接支給を申請できる」とした。すでに町村外相が先月の日韓外相会談で、健康管理手当てなどの支給について在外公館の活用を検討する旨を表明しているが、政府は「来日要件」を盛った施行規則、施行令を無効とした今回の判決を重く受け止め、すべての在外被爆者が海外から諸手当の申請を可能とする措置を講ずるべきである。
- 国内外を問わずに被爆者が高齢化している折、いまだに国内居住かどうかで法の適用が妨げられていることは適格性を欠くばかりか、人道上、大きな問題だと考える。社民党は、かねてから在外被爆者の援護法適用に尽力し、国会でも粘り強く取り上げてきたが、今後も、被爆者健康手帳の交付の問題も含め、在外被爆者が一刻も早く国内の被爆者と同様の待遇を受けられるよう努力する。
以上