2005年5月26日

橋梁工事談合事件について(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 本日、東京高検は国発注の橋梁建設工事をめぐる談合事件で、関係者らを独占禁止法違反の疑いで聴取した上、11社の幹部ら14人を逮捕した。談合には大手企業を含む47社が加わり、金額ベースで9割以上の工事を落札していたといわれている。公共工事をめぐる過去最大級の談合事件であるだけに、今後、司直の手によって事件の全容が解明されることを望む。

  2. ことは国民の税金を使う公共事業であるだけに、談合で受注価格を引き上げるような行為は断じて容認できるものではない。昨今の企業不祥事と合わせ、企業モラルが著しく低下していることは大変に由々しき事態である。また、企業サイドの問題にとどまらず、談合の事実の発覚がここまで遅れたことを含めて事業発注側の官公庁に問題はなかったのかどうか、入札の在り方に改善すべき点がなかったのかどうかなどについても、この際、厳しく問いただすべきである。

  3. さらに官公庁発注の事業以外でも、日本道路公団が発注した工事について、業界最大手の企業に天下りした公団OBが各社への工事配分を行なっていた疑惑も取りざたされており、公共事業をめぐるこのような癒着構造にも徹底的にメスが入れられるべきである。

  4. 4月に改正独占禁止法が成立したが、改正案の当初案は談合・カルテルに対する課徴金を現行の6%から18%にまで引き上げることを想定していたが、日本経団連などの強い抵抗で、課徴金算定率は最終的に10%にとどまった。また談合しても情報提供すれば減免制度が適用されるなど、カルテル・談合による不当利得がそのまま温存される問題点も指摘されていた。今回の事件を見るにつけ、談合参加企業に厳しいペナルティを設け、事件の再発を防ぐことは急務の課題と考える。そのために独占禁止法の再改正を含め、透明・公正な入札制度などの在り方を党としても真剣に検討していく。

以上