2005年6月17日

通常国会の会期大幅延長について(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 本日の衆院本会議において、通常国会の会期を55日間、延長する議決が自民、公明の両党によって強行された。会期延長を採決する重要な本会議において、わが党の阿部知子議員が反対討論で指摘したように、本会議場に酒気を帯びて出席した与党議員が存在したことは、国会の品位を著しくおとしめる前代未聞、言語道断の行為であり、断じて容認できるものではない。衆議院規則211条に該当する行為であり、「議場内粛正に関する決議」に反する行為として、断じて許すことはできない。

  2. 国会は、国会法で定められた会期で終了することが基本であり、期間内に成立しなかった法案は審議未了・廃案とし、必要ならば出し直すのが筋である。国会終盤になって提出した郵政民営化法案の成立だけを念頭に、会期を大幅延長するなど言語道断である。郵政民営化をゴリ押しするためには、国会を私物化することさえいとわない小泉首相と与党の姿勢を厳しく糾弾する。

  3. そもそも郵政民営化法案は、郵政公社設立にあたって「民営化等の見直しは行なわないものとする」とした中央省庁改革基本法の条文に矛盾するほか、政府と自民党による修正合意の中身さえ条文に反映せず、本来ならば法案に責任を負うべき与党内から修正要求がいまだにくすぶる欠陥法案である。

  4. これまでの審議においても、郵便局設置基準において貯金・保険業務が必須業務とされていないため、過疎地や離島などで金融サービスが切り捨てられること、あるいは都市部で郵便局が統廃合される可能性が明らかになるなど、国民の安心を切り捨てる「郵便局ネットワーク寸断法案」であることが白日のものとなった。会期延長が決まった以上、党は法案の問題点を徹底的に追及し、民営化法案の廃案を引き続き目指す。

  5. また審議の過程で竹中郵政担当大臣は、歴代の郵政大臣らが「民営化は行なわない」と答弁してきたことについて「政治家の信条を述べたもの」と強弁し、これまでの政府の見解を一方的に捻じ曲げた。さらに、郵政民営化のための1億5000万円もの政府広報が、竹中大臣秘書官の友人に随意契約で受注されていたことも明るみになった。もはや担当大臣の職に値するとは言い難い竹中大臣の責任を、今後の審議で徹底的に追及していく。

  6. 国民が望まない郵政民営化に執拗に固執し、靖国参拝批判を一顧だにしない小泉首相の姿勢は、もはや政治とは無縁な独善主義だと言わざるを得ない。「従軍慰安婦という言葉は無かった」と、93年の河野官房長官(当時)談話を否定するような中山文部科学大臣の発言、日本の対中ODAを引き合いに中国政府の態度を批判し、かえって摩擦を拡大させた町村外務大臣の発言に見られるように、小泉首相の独善的な姿勢が内閣全体に波及し、政治の混乱を招いていることは紛れもない事実である。社民党は、残り会期、内外で行き詰まり、国民から遠くかけ離れた小泉内閣の政治の転換に全力を挙げる。

以上