2005年10月14日

郵政民営化6法案の成立にあたって(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 本日の参議院本会議で、前国会で廃案となった郵政民営化関連6法案が可決・成立した。小泉首相は前国会での法案廃案を受け、強権的に解散・総選挙に踏み切り、結果として与党で3分の2以上の議席を確保したとはいえ、小選挙区での得票数では与党で過半数に達しておらず、郵政民営化法案が国民から諸手を挙げて信任されたとは言い難い。にもかかわらず10月6日に衆議院で審議入りしてから、わずか9日間でスピード成立させたことは、「数こそ力」と言わんばかりの国会の形骸化・空洞化にほかならない。

  2. 小泉首相は選挙期間中、民営化すればあたかも財政再建が進むかの如く主張してきたが、職員の人件費も含めて郵政事業には税金が投入されておらず、この主張はまったくのマヤカシと言わなければならない。郵政民営化の狙いは、郵貯・簡保で340兆円に達する庶民の生活用貯蓄を、投機のためのリスクマネーや外資の攻勢にさらすことにある。また、ファミリー企業や特定局長制度には十分なメスが入らないばかりか、公社の職員、非常勤職員や短時間職員の民営化後の賃金・労働条件についての保障も十分と言うにはほど遠いものである。

  3. 郵政民営化によって、公共性や利便性よりも、採算性や経営判断が優先されることになり、民営化のコストは国民・利用者に負わせられることになる。同時に、郵便及び金融のネットワーク、ユニバーサルサービスが崩壊させられ、過疎地域や離島での生活、高齢者の利便性が損なわれることを強く危惧する。審議中、政府が答弁してきた「利便性が高まる」「サービスは低下しない」「郵便局はなくならない」などの約束が履行されていくのかどうか、今後、しっかりと監視・検証していく。

  4. 郵政民営化は、弱者を切り捨てる小泉「構造改革」の象徴であり、政府・与党が「ポスト郵政民営化」として、さらなる増税・負担増や公共サービスの切り捨てに踏み出すことが予想される。社民党は、国民生活や地方を一方的に切り捨てる「構造改革」の問題点を徹底的にただすと共に、格差を是正し、暮らしの不安を安心に変える改革に全力を挙げる。

以上