2005年10月26日
日米政府による普天間飛行場の移設合意について(談話)
社会民主党
幹事長 又市征治
- 本日、日米両国政府は、在日米軍再編問題をめぐる協議で、大きな焦点となっていた在沖米軍普天間飛行場の移設先を辺野古崎のキャンプ・シュワブ兵舎地区と一部海域にまたがる沿岸とすることで合意した。この間の米軍再編協議は、在日米軍の整理・縮小・撤去、とりわけ在日米軍基地の75%が集中する沖縄の負担軽減が中心課題であっただけに、普天間飛行場の沖縄県内移設で合意したことは極めて遺憾であり、容認できない。
- 沖縄県民の怒りが頂点に達した米兵による少女暴行事件から10年、そしてSACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終合意から9年余りが経過してもなお、普天間飛行場の返還は言うに及ばず、沖縄県民の負担、危険と隣り合わせの生活が何ら改善されていないことは、昨年の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事件を見るだけで明らかである。9年余りの間、沖縄の米軍基地問題、日米地位協定の改訂などを放置してきた政府の責任は極めて重大である。
- 普天間飛行場については沖縄県民の8割が、米本国への移転を含めた県外移設を求めている。にもかかわらず、政府は、従来の辺野古沖移設の計画をキャンプ・シュワブ沿岸への移設へと方針変更したことを含め、地元自治体と住民、そして国民に対し、再編協議の過程について一切の説明を放棄してきた。「日米同盟の強化」を最優先し、日米政府間の合意を先行させ、その後に地元自治体と住民を説得するというやり方は本末転倒である。
- 普天間飛行場の移設問題のほか、米陸軍司令部のキャンプ座間への移転、米空母艦載機部隊の岩国移転なども今後の大きな焦点となるが、在日米軍基地の機能強化と「たらい回し」をこれ以上、許すわけにはいかない。また、一部報道にあるような移設にかかわる巨額の費用まで日本側が負担するなど、言語道断である。社民党は今後も、米海兵隊の国外移設、沖縄を始めとした在日米軍基地の整理・縮小・撤去、地位協定の抜本改訂、そして「思いやり予算」の大胆な削減が実現するよう、引き続き努力していく。
以上