2005年11月16日

日米首脳会談について(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 本日、小泉首相とブッシュ米大統領による日米首脳会談が約1年ぶりに行なわれた。会談では、小泉首相が国会や国民に対し、黙して語ってこなかった自衛隊のイラク派遣延長について「国際社会の一員としてしっかりとした支援をしていく」と事実上の派遣延長を示唆したほか、関係自治体の頭越しに合意した米軍再編の中間報告を追認して「実現に最大限の努力をする」と述べるなど、「日米同盟」の強化を全面に押しだした。重要案件を国民不在のまま、ブッシュ大統領に対して独断で約束を交わすようなことは断じて容認できない。

  2. 小泉首相と政府は、ブッシュ大統領の来日に合わせるかのように、米国が求めていた郵政民営化法案の成立を先の特別国会で強行したほか、テロ特措法を再改正してインド洋における海上自衛艦の補給活動を継続、また米国産牛肉の年内再開を強く後押ししてきた。さらに自衛隊と米軍の一体化に踏み込む米軍再編の中間報告の合意を急ぎ、米国がかねてから主張してきた集団的自衛権の行使容認に道を開く憲法改正草案を自民党に取りまとめさせてきた。一方では靖国参拝を強行してアジア各国との信頼関係を一層悪化させながら、米国に対してはブッシュ大統領のご機嫌をうかがうかのように要求を丸呑みする姿勢は、「国民無視・アジア軽視の米国追随政治」だと言わざるを得ない。

  3. 小泉首相が本来、今回の会談で主張すべきだったのはイラクからの自衛隊撤退を含め、武力行使を伴う治安活動を米国にやめさせること、関連自治体が納得しない米軍基地の再編ではなく、海外移転を柱に在日米軍基地の整理・縮小・撤去をさらに求めること、米国産牛肉について日本並みのBSE対策を義務付けることなどであったはずである。日米関係の重要性は指摘するまでもないが、すべてにおいて米国の要求を鵜呑みにし、やがては米軍支援を恒常化するために平和憲法の改悪まで企図することは、主権国家の外交姿勢と呼べるものではない。社民党は、米国に追随して危険な道に踏み込む小泉首相の姿勢を厳しく批判すると同時に、アジアとの信頼関係の再構築を含め、平和外交を基調にした外交政策への転換を強く求める。

以上