2006年1月31日

05年度補正予算案などの衆議院通過にあたって(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1. 本日、05年度補正予算案が自民、公明などの賛成多数で衆議院本会議を可決、通過した。社民党は、補正予算案に緊急を要する対策費が計上されていることを重視しつつも、アスベスト対策では労災認定者とそれ以外の被害者救済に大きな格差が存在すること、耐震設計偽装問題への対策も関連企業や国の責任が不明確なままであることなどから、政府案に反対した。

  2. アスベスト対策関連法案についても、補正予算案と同じ観点から、内容が極めて不十分であるとして反対した。また、議員年金廃止法案については現行制度が国庫負担率や給付水準が極めて高いことから、社民党はこの間、現行制度を廃止し、早期に公的年金の一元化を実現して国会議員の年金もそこに組み込み、移行期間は国庫負担割合を50%以下に引き下げることなどを柱とした案を各党に提示してきた。しかしながら、与党案、民主党案ともに党案と大きな開きがある上に、既受給者にまで大幅な給付カットを求めていることから反対することとした。

  3. 昨日の衆議院予算委員会は、米国産牛肉輸入再開の際に閣議決定した質問趣意書の答弁をめぐって紛糾した。中川農相は、午前中の答弁で閣議決定違反を認めながら、午後になって「趣旨は逸脱していない」と答弁内容を変更し、政府も「査察は輸入再開の条件ではない」とする政府見解を示した。しかしながら、答弁書は輸入再開前後の調査実施を明確にしながら、実際の査察調査は輸入再開後に実施された。しかも、問題の危険部位は未査察の処理場からの輸入であった。どんなに詭弁を弄しても、政府が安全対策を米国任せにし、食の安全確保を怠った責任は免れない。中川大臣は責任を取って大臣の職を辞するべきである。

  4. また、補正予算案の審議の期間中に、麻生外相が小泉首相の靖国神社参拝に関連して「天皇陛下の参拝が一番」だとする発言を行なった。天皇は靖国神社にA級戦犯が合祀されて以降、参拝していない。A級戦犯が合祀された靖国神社への首相の参拝が、アジアの人々から痛烈な批判を受けている折、外交を担当する大臣としての適格性を欠く極めて不適切な発言である。

  5. さらに、昨日、防衛施設庁の官製談合で施設庁ナンバー3を含めた幹部3人が逮捕された。天下り問題とセットで繰り返される官製談合は、同庁に根を張る組織的な問題である。メスを入れることができなかった額賀防衛庁長官の責任は極めて重大である。今後、補正予算案の審議は参議院に移るが、「耐震設計偽装・BSE・ライブドア」問題に加え、防衛施設庁談合事件についても徹底的に追及していく。

  6. 連日のように問題が噴出する事態は、小泉内閣の政治の誤り、小泉内閣の無責任体質を浮き彫りにするものである。社民党は、中川農水相、麻生外相、そして額賀防衛庁長官の責任をただすと共に、任命権者としての小泉首相そのものの責任についても、国会で明らかにするため、全力を挙げる。

以上