2006年3月2日
2006年度政府予算案衆議院通過に当たって(談話)
社会民主党
幹事長 又市征治
- 本日、衆議院本会議で2006年度政府予算案が可決された。耐震偽装問題、ライブドア問題、BSE問題、防衛施設庁官製談合問題という、いわゆる「4点セット」や格差問題、靖国参拝とアジア外交、米軍再編問題などについて、追及や疑惑の解明、政府予算案自体の問題点の審議が不十分なまま、昨年同様の日程で予算案の衆議院通過となったことは大変残念である。
- 2006年度予算案は、「小さくて効率的な政府」を目指した「改革の総仕上げ予算」といいながら、定率減税縮小・廃止、保険料の値上げ、高齢者医療費の窓口負担増などの負担の押しつけと、介護予算や障がい者福祉の切り捨て、診療報酬の大幅引き下げなど福祉・生活切り捨てによって帳尻合わせをした「改悪の総仕上げ予算」となっている。しかも「国債発行をできるだけ30兆円に近づける」という小泉首相の「目標」の達成は、電源開発特会からの一般会計繰り入れ分を後日、同特別会計に返済するという、やりくり算段の姑息な手法を使った、「粉飾予算」である。
- 加えて、三大都市圏環状道路、スーパー中枢港湾整備などビッグプロジェクトへの重点化を図る公共事業関係費、ミサイル防衛関連予算の増額や陸上自衛隊中央即応集団の新編成など、米軍と共に戦える自衛隊に向けて具体化を進める防衛費、地方の自主性・裁量を高めるのではなく国が負担を減らし地方に負担をつけ替えるだけの「三位一体の改革」、社会保険庁の年金保険料の事務費流用など、国民が望んでいる改革とはとてもいえない「偽装予算」である。
- 社民党は、今回の予算審議の中で、就学援助問題や最低賃金見直し問題、非正規雇用問題、サラ金問題などを取り上げ、小泉政権の進める「小さな政府」は、一面では国民に対し税金の安上がりイメージをふりまいているが、本質は、「冷たい予算」であり、「大きな格差」・「大きな負担」をもたらすものであることを浮き彫りにしてきた。社民党は、国民生活の安心・安全を確立するという立場で、「2006年度予算見直しのポイント」をまとめ、例えば、特別会計の積立金・剰余金については単純に財政健全化に回すのではなく、定率減税縮減の中止や医療負担増の抑制等にこそ活用すべきことなどを提案してきた。
- 「弟です、息子です」と言われたホリエモン問題に対する自民党自体の政治責任・説明責任が果たされたわけでは決してない。耐震偽装問題の政治との関係、行政の責任追及もうやむやのままである。舞台は参議院に移るが、引き続き予算案の問題点とともに、「4点セット」や格差問題など、小泉「構造改革」自体の問題点を追及し、格差を広げ生活と平和の破壊に一層傾斜する小泉内閣と厳しく対決していく決意である。