2006年4月26日

チェルノブイリ原発事故20年に当たって(談話)

社会民主党 幹事長
        又市 征治

 1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故から、20年が経った。史上最悪の原子力発電所事故により大量の放射性物質が放出され、原発職員や消防士、事故処理作業に従事した者だけに止まらず、周辺住民数百万人が被ばくしたといわれている。

 チェルノブイリ原発周辺30キロ圏は、事故から20年経った今日でも、立ち入り禁止のままである。また、封鎖された原発に残された核物質はなお危険であり、管理は手に負えないものとなっている。

 人々の健康に及ぼす影響もなくならない。放出された放射能による被ばくの結果、子どもたちに甲状腺がんが急増し、大人たちにもがんや白血病など、さまざまな疾病が増加している。健康な人が突然発病してしまうという恐怖と、生まれてくる子どもに疾患があるかもしれないという恐怖が、被ばくした人々を不安に陥れている。

 チェルノブイリ原発事故は、核兵器だけでなく原発も人類の手には負えないということを深く認識させた。しかし、日本政府は既存のウランによる発電にとどまらず、新たにプルサーマル計画に突き進もうとしている。プルトニウムを取り出すことがいかに危険であるか、そのリスクは計り知れないものがある。

 この状況を克服するためには、一日も早く脱原発を目指すことが必要であり、そのためにはエネルギー消費を削減しながら、再生可能エネルギーに対する社会的投資を日本の基本政策として定め、これを積極的に推進していかねばならない。社民党は、チェルノブイリの教訓を決して風化させることなく、これまで進めてきた脱原発の運動をひきつづきねばり強く推進していく。

以上