2006年4月26日

耐震強度偽装事件の関係者の逮捕について(談話)

社会民主党 幹事長 
又市征治

  1. 本日、警視庁など合同捜査本部は、姉歯秀次元建築士、木村盛好木村建設社長、確認検査機関「イーホームズ」の藤田東吾社長ら関係者8人を逮捕した。耐震強度偽装事件は、当該建物の住民のみでなく、その周辺住民の生命をも脅かす極めて悪質な行為である。今回の逮捕容疑は、名義貸しや粉飾決算、架空増資など直接の偽装事件の容疑ではないが、これまでの国会の場における関係者の供述が異なっていることもあり、早期に司直の手で事件の全容が徹底的に解明され、責任の徹底追及・厳正な処分・処罰がなされることを望む。

  2. 同時に、建物設計・検査の場で起きた事件が、多くの国民の間にマンションの安全性に対する不信を惹起していることについて、極めて深刻に受け止めなければならない。個人や個別業者の問題とするのではなく、背景にある手抜き工事等の欠陥住宅を生み出す重層的下請構造(ピンハネ構造)や、激しい住宅販売合戦と異常なまでのコスト削減競争をはじめとする建築業界の実態・体質、さらにはこの間進められてきた規制緩和・民間開放の流れといった構造的な問題、行政や政治の責任にもしっかりとメスを入れることが必要である。

  3. 耐震強度偽装問題を受けて、政府は、重大な不正を行った建築士に対し、新たに懲役刑を導入して罰則を大幅に強化することなどを盛り込んだ建築基準法などの改正案を提出している。しかし、被害者救済と再発防止対策としては不十分であり、社民党は、被害住民を救い、欠陥住宅の再発を許さないという立場から、被害者救済の実施と、罰則の一層の強化や中間検査の義務的実施、建築確認審査事務のあり方の改革をはじめとする抜本的な対策強化を求めていく。

以上