2006年5月17日

入国管理法改正案の成立に当たって(談話)

社会民主党 幹事長
又市征治

 本日、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案が成立した。

 テロの発生を未然に防ぎ国民の生命と安全を守ることは当然であるが、その具体的な手段として本法案が規定する内容は、個人のプライバシーや、外国人と共生する自由で民主的な社会を築くという面で重大な問題をはらんでいることから、社民党は反対で臨んだ。

 この法案は、外国人の指紋採取、顔写真撮影に加えて、日本人も対象にして指紋採取、顔写真撮影のデータベースを膨らませていく内容であり、外国人の人権侵害という面のみならず、定住外国人・日本人の生体情報(指紋・顔写真)などのデータベース化と国家による管理、国民総指紋登録制度に道を開くものである。個人情報の中でも極めてセンシティブな指紋や顔写真情報を全外国人に強制し、定住外国人や日本人に任意で指紋情報を採取し、半永久的に、死ぬまでどころか死んでも保存し続けるというのでは、「超監視社会」「超管理国家」化を強め、外国人、日本人問わず被疑者扱いをする社会をつくってしまいかねない。

 加えて、蓄積された個人状識別情報の入管業務を超えた捜査目的での米国等へのデータ提供、改正入管法で導入が予定されている自動化ゲートの開発と実験業務を米国の生体認証システムUS−Visitを受注運営しているアクセンチュア社が僅か10万円で落札したことなど、問題は山積している。

 ますます多くの外国人が日本で暮らす現在、外国人を管理の対象ではなく共生すべき住民として迎えていくという観点からこそ入管法を改正すべきである。

以上