2006年6月5日

村上ファンド・村上世彰代表の逮捕について(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

  1. 本日、村上ファンドの村上世彰代表らがニッポン放送株の売買などをめぐり証券取引法違反に当たる「インサイダー取引」の疑いで逮捕された。村上ファンドは、ライブドアによるニッポン放送株買い占め後に、値上がりした株を大量に売却し、多額の利益を上げたと見られている。「もの言う株主」を自認する村上容疑者が株主価値の向上、株主利益を主張する裏で、インサイダー取引に手を染め、不当な利益を上げていたのであれば、証券市場の公正さを阻害し、投資家の利益をも損なう許されない行為である。徹底した捜査により事件の全容が解明されることを期待する。同時に、必要があれば、国会の場でも関係者の国会招致などを通じて真相解明と再発防止に努力すべきである。

  2. 村上ファンドの阪神タイガースの株式上場など派手な話題作りも、株価つり上げの手法にすぎず、金を稼ぐことだけを自己目的とし、そのためには手段を問わないという利潤至上主義、株価至上主義、拝金主義がむき出しになっただけである。阪神電鉄株の買い占めが話題となっているが、鉄道という公益事業の公益性を投資ファンドがゆがめることがあってはならない。

  3. 参議院で証券取引法等の一部を改正する法律案が審議されているものの、健全な金融サービスの発展と市場監視機能の強化、消費者保護のための包括的・横断的な法制度は見込めず、ライブドア事件で失った市場の信頼を回復し、事件の再発防止策としては不十分と言わざるを得ない。社民党として、ライブドア事件や村上ファンド事件の背景や問題点を整理し、必要な対策や法整備を検討していくこととしたい。同時に金儲けのほかには何の目的もない株価至上主義は、規制緩和を推進し、市場競争万能を標榜する小泉政権の「改革」路線自体が目指したものであることを強調したい。

以上