2006年6月20日
陸上自衛隊のイラクからの撤退について(談話)
社会民主党幹事長
又市征治
- 本日、政府はイラク南部のサマワに駐留している陸上自衛隊部隊を、7月末までに撤退させることを決定した。撤退は、イギリス軍やオーストラリア軍と同時期に行われる。今回のイラク戦争は、フセイン政権が大量破壊兵器を保持しているということを口実として、アメリカが開始したものである。しかし米国調査団によっても、大量破壊兵器の備蓄は発見できなかった。新しくイラク政府が発足したにもかかわらず、混乱は収まったとは言えず、泥沼化している状況は変わっていない。社民党は、憲法上からも自衛隊のイラク派遣には一貫して反対してきた。その意味では、陸上自衛隊が撤退を開始することは当然であり、余りにも遅きに失したというべきである。
- 一方、航空自衛隊はひきつづきイラクの隣国であるクウェートに駐留しつづける。活動範囲は、イラク南部地域だけではなく、バクダッドやその周辺、さらには北部地域へまで拡大される。緊迫した地域に米軍の兵員や関連物資を移送することによって、戦闘に巻き込まれる危険性が増している。政府は、航空自衛隊を危険にさらすことなく、陸上自衛隊にひきつづいて撤退させるべきである。特に、今月末の日米首脳会談において、小泉総理は米軍への協力の拡大を約束することがないよう、強く求めるものである。
- イラクでは、湾岸戦争以来、米軍が劣化ウラン弾を使用したことにより、被曝者が出ている。帰還したアメリカ兵でも、劣化ウラン弾が原因とみられる症状が出ている。政府は、帰還した自衛隊員について、劣化ウラン弾による被害が生じていないかどうか、継続した健康調査を行うべきである。また、被爆国の政府として、劣化ウラン弾によって苦しんでいるイラクの住民にたいしても、医療援助をしていくべきである。
以上