2006年6月21日

米国産牛肉の輸入再開合意について(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

  1.  日本政府は、危険部位混入による米国産牛肉の輸入再開をめぐり、米国と局長級電話会談を行い、食肉処理施設の事前査察、輸入再開後の抜き打ち調査、日本での検疫体制の強化など追加条件を決め、輸入再開にむけて、本日合意した。
     今回の拙速な合意は、米国からの圧力とともに日米首脳会談に間に合うように仕組まれており、またもや米国のずさんなBSE対策を放置したまま、多くの消費者や生産者の不安の声を無視し、国民の健康と食の安全を軽視するものであり強く反対する。

  2.  米国政府のBSE対策は、そもそも食の安全に関する認識も低く、予防策も立ち遅れていることが国民の不安の原因である。日米会合などで米国側は一貫して、「米国産牛肉は安全」、「国民の健康を害するものではない」、「一部の輸出施設の問題による特異な事例」などと主張するばかりであり、しかも、争点を輸出プログラムの遵守の問題にすりかえ、ずさんなBSE対策の構造そのものを隠そうとしてきた。
     日本政府も、米国側の傲慢な主張を鵜呑みにし、安易に信頼する姿勢に問題があった。
    対日輸出施設の改善だけでなく、米国産牛の管理、飼育・検査・処理方法など米国のBSE対策の構造そのものを問うべきであった。

  3.  日本政府は、昨年12月、米国産牛肉の危険性を認識していたにもかかわらず、日米同盟を優先した輸入再開を強行し、わずか1カ月で脊柱つき牛肉の混入を招いた。
     農水省・厚労省については、根拠となった食品安全委員会の評価(付帯事項)に記された輸出プログラムの実効性、その遵守に関する検証結果の報告もせず、また国民に説明する義務をも無視したことの責任が残ったままである。
     国会では、事前の現地調査をするという閣議決定違反が問題となり、日本政府の過剰な対米追従ぶりも明らかになった。
     また、食品安全委員会についても、政府の意向に沿ったあいまいな科学的判断を出した問題が残っている。今回のリスクコミュニケーションは6月14日に終了したが、リスク管理機関は出された輸入再開反対の声をどのように反映したのかも不明確である。
     形式的かつ単なる手続きでしかないならば消費者を愚弄するものであり、食品安全行政に対する不信は増大するばかりである

  4.  社民党は、国民への十分な説明を欠いたままの政治優先の輸入再開は、国の責任である安全な食糧供給に反し、国民の健康を損なうおそれがあり認めることはできない。
     政府は、香港や台湾での骨の混入を踏まえれば、追加条件も含めて、再度、食品安全委員会に対してリスク評価を諮問するべきである。
     同時に、米国に対しては、日本と同等のBSE対策(全頭検査、全頭からのSRM除去、肉骨粉の飼料投与の禁止、トレーサビリティ制度)の構築を強く求めるべきである。
     国内では、輸入牛肉に対するトレーサビリティ制度の確立や販売店・外食店での原産地表示を義務づけるなどBSE対策の拡充にむけて取り組んでいくとともに、動物と自然環境にやさしい畜産業、食の安全・安心を基本とした農業・食料政策を追求していく。

以上