2006年6月30日

日米首脳会談と「21世紀の新しい日米同盟」について(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

  1. 小泉純一郎首相はカナダに引き続いて米国を訪問し、6月29日午前(日本時間同日深夜)、ホワイトハウスでブッシュ米大統領と会談した。会談後、「21世紀の新しい日米同盟」が宣言された。今回の訪問は、5年間米国への追従を続けてきた小泉外交の総仕上げともいうべきものであり、日本があらゆる分野においてさらに深く米国の傘下に入り込んでいくことを宣言している。社民党は、自主性を放棄しつづける小泉外交の特質を示したものとして、容認することはできない。

  2. とくに、日米2国間だけではなく、「地球的規模での協力」という美名のもとに、他国に対しても、日本が憲法を逸脱し、さらに米国の戦略に組み込まれて行動することを宣言している。しかし、「日米同盟」の強化を進めてきた小泉内閣の時代に近隣諸国との関係は、靖国神社への公式参拝などによって悪化し、改憲の動きは日本への警戒と不信をもたらしている。今回の宣言では、「強固な日米協力が、中国の活力を生かし、北東アジアの平和と安寧の維持に資する」と述べており、いかにして近隣諸国からの信頼を築くかいう観点は、まったく省みられていない。

  3. 小泉外交の負の遺産を残したままに、弾道ミサイル防衛協力や日本における有事体制の整備に突き進み、日米の軍事一体化をさらにいっそう押し進めることが宣言されている。会談では、地元との合意もなく、財政的にも大きな負担が押しつけられる在日米軍再編問題について、「歴史的成果」であり「着実な実施が重要だ」と賞賛している。米国の軍事戦略に巻き込まれ、将来に大きな禍根を残すものだと言わざるをえない。

  4. 米国産牛肉の輸入についても、未だ食肉処理施設の調査が終わっていないにもかかわらず、ブッシュ大統領から「米国産牛肉の市場を開放したことにお礼を申し上げたい」と言われている。これは日本の消費者の安全を軽視する発言であり、また小泉総理が国民の命を「おみやげ」として持参することは断じて認められない。

  5. 小泉総理は帰国後、会談の内容およびサミットに臨む態度について、党首会談ならびに衆参両院の予算委員会での集中審議の場を設け、国民に対し説明することを要求する。

以上