2006年8月15日

敗戦61年にあたって(談話)

社会民主党党首
福島みずほ

 悲惨な第二次世界大戦の終結から61年を迎えるにあたり、戦争の犠牲となって倒れたすべての人々に、心から哀悼の意を表します。

 なぜあのような無謀な戦争に突入してしまったのか、そのことを繰り返し問い歴史から学ぶことは、平和な時代に生きる私たちの責務です。戦禍を越えて生き残った人々の声に耳を傾け、再び戦争の時代が来ないように努めることは、私たちの責任です。

 戦争に突き進むことによって、日本は存亡の危機に陥りました。また、多くの国々、とりわけアジア近隣諸国民には、多大な苦痛と損害を与えました。

 61年を経ても、その傷は癒されていません。戦闘で倒れ、いまなお帰ってこない遺骨があります。空襲によって行方が分からなくなったままの人がいます。原爆症認定訴訟を続けなければならない人、打ち捨てられた遺棄化学兵器のために傷ついた人、残留孤児や残留婦人の言い表せないほどの辛さなど、戦禍は長く人々を苦しめています。

 戦地での残虐行為に関わったために、その後誰にも言わず良心の呵責にさいなまれつづける人がいます。晩年になって、ようやく重い口を開いて歴史の証言を残しておこうとする人もあります。いずれも、残酷な人生と言わなければなりません。

 これらの深い傷を思うとき、戦争は二度と引き起こしてはならず、とくに指導的な立場にあるものは、偏狭なナショナリズムをあおることがないように、細心の注意を払っていかなければなりません。

 相互の立場を理解しあい、歴史と文化を尊重しあうことから、新しいものが生まれてきます。多民族、多文化が共生する社会を作り上げていくことは容易なことではありません。しかしこれこそが、20世紀の前半の植民地支配と戦争の反省にたち、平和国家として歩みつづけたわが国がめざすべき目標です。

 社民党は、8月15日に当たり、平和憲法の理想を実現するために、引き続き努力していくことを誓います。

以上