2006年12月25日
死刑執行に強く抗議する(談話)
社会民主党
党首 福島みずほ
- 本日、東京拘置所、大阪拘置所および広島拘置所に収監されていた死刑囚4名に対して刑が執行された。社民党は死刑制度が人道と社会正義に反するものとして、その存置に強い疑問を呈してきた立場から、今回の死刑執行に強く抗議する。
- 今回の死刑執行は、1993年から14年連続となるものである。臨時国会が終了し、かつ年末の押し迫ったクリスマスの時期に、同時に4名も執行したことは、何としても死刑執行ゼロの年を作りたくないという法務省の姿勢が表れたものである。安倍内閣としては初めての執行であり、長勢法務大臣が刑の執行を命じたことや、法務大臣が誰であれ執行させた「実績」を作り出そうとする法務省の姿勢は、言語道断と言わざるを得ない。
- 1989年の国連総会で「死刑廃止条約」が採択されて以来、国連人権委員会でも「死刑廃止に関する決議」がなされ、死刑存置国に対して「死刑に直面する者に対する権利保障を遵守するとともに、死刑の完全な廃止を視野に入れ、死刑執行の停止を考慮するよう求める」とした呼びかけがされている。また先日、死刑廃止議員連盟が法務大臣に対して執行しないように申し入れたばかりであった。今回の執行は、死刑制度の廃止に向かう世界の流れに逆行したものである。
- 死刑制度については国内外で大きな議論が起きていることを勘案し、制度の存廃や死刑に代わる措置など刑罰の在り方について国民的な議論を尽くし、その間、政府は死刑の執行を差し控えるべきである。社民党は、今後も死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。
以上