2007年3月30日
社会民主党幹事長
又市征治
本日、電力各社は各々原発施設での事故や不正な措置についての調査報告書を経済産業省に提出した。この報告により、北陸電力志賀原発で起きた1999年に臨界事故の他に、1978年には東京電力福島第一原発3号機でも臨界事故が起きていたことが明確となった。
この他にも、福島第一原発では1984年の緊急停止隠しと1998年の制御棒トラブルが起きており、柏崎刈羽原発でも制御棒トラブルが起きていたことが判明した。日本原子力発電でも、1997年に福井県の敦賀原子力発電所2号機の定期検査で、原子炉格納容器の気密性を確認する試験中に空気圧を調整する弁の不具合を隠したまま、国の検査を通っていたことがわかった。
このような多くの深刻な事故や不正が、今日に至るまで電力会社によって隠蔽されつづけてきたことは、住民および地元自治体の信頼を裏切る重大な背信行為である。深刻な事故について、社員や下請け労働者に物を言うことを許さぬ電力会社の体質も厳しく糾弾されるべきである。
そして、原子力安全・保安院が、事故や不正をまったくチェックできなかった責任も重大である。
3月25日には、能登半島地震が起き、志賀原発は想定を大きく超えた揺れに直撃された。志賀原発は、事故隠しが発覚したことにより稼働していなかったが、もしも稼働していればどういうことになったか、不安はつきない。
政府は、この報告書をもとに、原発の安全性のチェックについて抜本的な見直しをすべきである。また沸騰水型原発が抱える構造的な危険性について、これまで見逃してきたことを反省すべきである。
社民党は、住民の安全を確保していくために、違反行為に対しては厳格に対処することを求める。
以上