2007年5月11日

参議院憲法調査特別委員会における「改憲手続法案」採決強行に抗議する(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

  1. 本日、参議院憲法調査特別委員会で、わが党をはじめ十分な審議の徹底を求めていたにもかかわらず、日本国憲法の改正手続きに関する法律案(改憲手続法案)の採決が強行された。同法案は、国の基本を定めた憲法を変えていく非常に重要な法案であり、今後の国民生活や諸外国との関係において大きな変化を引き起こすものである。国民投票において、資金力にものをいわせてCMで世論を誘導したり、公務員や教員が自由に見解を表明する活動を制限したりすることなどがあってはならない。しかし、この法案は最低投票率を定めないこと、公務員や教員について、地位利用による投票運動の禁止、政治的行為の制限を図ろうとしていること、テレビ・ラジオの有料広告に公正なルールの定めがないことなどを含めて、たいへん欠陥の多い法案であり、国民主権原理を否定する国民不在の法案である。

  2. 憲法改正の手続きを定めるものであるのであれば、拙速を避け、慎重の上にも慎重を期すのが当然である。国民の多くも慎重な審議を望んでいた。しかも法案には多くの欠陥があることが、審議を通じてますます明らかになっていた。にもかかわらず、与党はこれらの問題の審議を避け、ともかく早く成立させることだけを優先してきた。衆議院では一年以上も審議して、それでもまだまだ議論は足りなかった。良識の府である参議院において、一月もたたずに、しかも、中央公聴会すら開かずに採決強行に至るのは言語道断である。加えて全会派一致の慣例を破ってNHKテレビ入り審議をセットしたり、議員立法であるにもかかわらず、憲法を守るべき立場の行政府の長である安倍首相の出席する審議をセットして安倍首相の点数稼ぎに利用したりと、やりたい放題の委員会運営がなされてきた。憲法に係わる重大な問題を、軽々に取り扱うことは議会制民主主義にとっての歴史的汚点であり、この国の将来に大きな禍根を残すものと言わざるを得ない。社民党は満身の怒りを込めて抗議する。

  3. 安倍首相のいう「戦後レジームからの脱却」とは、まさに戦前のシステムや価値観への回帰に他ならず、これは自民党新憲法草案の思想そのものである。安倍内閣はいよいよ反動政権の本質、タカ派の地金をむき出しにして、月曜日には航空自衛隊のイラク派遣延長法案の、そして来週中には教育三法案の衆議院通過を狙っている。このままでは、国会がすべて安倍首相の思うままであり、絶対許すわけにはいかない。憲法改悪の道へひきずりこむ改憲手続法案は絶対に廃案にすべきである。社民党は、広範な市民との連携を強め、日本国憲法を守るために全力を挙げる。

以上