2007年5月23日

「米軍再編特措法」の成立に抗議する(談話)

社会民主党党首
福島みずほ

 本日、参議院本会議で「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案」が採決された。米軍再編は、世界のどこで紛争が発生しても、迅速に兵力を展開するために米軍の態勢を変革するものであり、わが国や極東の平和と安全の維持とは関係のない、「米軍の、米軍による、米軍のための」再編である。日本と極東の平和や安全の範囲をはるかに超え、世界中で「テロとの戦い」をすすめようとする再編後の米軍との同盟は、日米安保条約の規定をさらに大きく踏み越えるものであり、断じて認めることはできない。社民党は、採決に当たり反対した。

 今後わが国は、米軍のために自国の防衛態勢を大幅に変更し、グアム移転経費の負担60.9億ドル(約7300億円)と、2007年度の再編交付金51億円をはじめとする、3兆円にも及ぶとされる負担を負うこととなる。すでに、「思いやり予算」をはじめ必要以上の協力を行っており、米軍のためにこのような莫大な負担を国民に押し付けることは、許されない。

 本法案は、再編に関係する市町村が再編を受け入れた場合に、施設整備の進捗状況に応じて交付金を交付するものである。自治体の同意を金で買うという、極めて露骨な買収行為である。また、沖縄県辺野古沖で、海上自衛隊の掃海母艦まで繰り出して、米軍普天間飛行場の移設のための調査機器を設置したことに見られるように、地方自治体と住民を無視して、政府は以前にも増して強圧的な態度で臨んでくることが予想される。地方自治を破壊するものと言わざるをえない。

 社民党は、日本国憲法の平和主義の理念を守り、広範な市民と堅く絆を結んで、米軍再編の実施を阻止するため全力を挙げるものである。

以上