2007年6月14日

政治資金規正法の一部を改正する法律案の衆議院通過に当たって(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

  1. 本日、与党提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案が、衆議院本会議を通過した。社民党は、与党案に反対、民主党修正案に賛成の態度をとった。事務所費問題を契機として、政治とカネの問題に国民の大きな関心と怒りが吹き上がっている。これに対し、与党案は、過去の疑惑には頬かむりしたまま、参議院選挙を目前に「政治とカネを追及されるとまずい」ので、「今後はキチント領収書を添付するようにしましたので、是非よろしく」と取り繕おうとするものにすぎない。

  2. 本来、政治資金規正法は、政治団体に対し、会計帳簿を作成し、それにすべての収入、支出を記載することを要求している。政治資金の透明度を高め政治資金に関する情報公開を徹底するとの観点からは、収支については総てオープンにするのがのぞましい。しかし、与党案は領収書の義務づけを資金管理団体だけに絞り、政党支部や後援会など別の政治団体は野放しであり、「抜け穴」になっている。資金管理団体について5万円超の領収書を添付することにしても、別の政治団体で支出したことにすれば、領収書は不要であり、意味がない。また、「1件5万円未満」に小分けしてしまえば、領収書はまったく不要となってしまいなんら実効性がない。

  3. 佐田行革大臣、伊吹文科大臣、亡くなった松岡農水大臣はじめ、「美しい国」を掲げる安倍政権下において、政治とカネにまつわる問題が続出している。そして赤城新農水大臣についてもすでに緑資源機構関連の疑惑が噴き出ている。国民が求めているのは、疑惑の徹底解明と責任追及で徹底的に膿を出し、そして再発防止のための制度改正で政治への信頼回復を図っていくことである。あたかも「改正」したかのごとき印象を与える与党案を拙速に押し通すのは、きわめて問題である。社民党は、今後とも国民の要求に応え、疑惑の徹底解明と政治への信頼回復に向け全力を挙げる。

以上