2007年6月20日

イラク特措法の2年延長に抗議する(談話)

社会民主党党首
福島みずほ

 本日、参議院本会議において、7月末で期限切れとなるイラク復興支援特別措置法を2年間延長する法案が採決され成立した。政府与党は、国会の会期末を控えて、イラクの状況を直視することなく、あわただしく強引に成立を図ろうとしたもので、言語道断である。

 そもそもイラク戦争は、フセイン政権が大量破壊兵器を隠しているということを根拠に、アメリカのブッシュ政権が国際社会の疑念と反対を押し切って強行したものである。特措法が当初想定した4年が経過したにもかかわらず、イラク国内は混乱がより一層深まっている。各国で高まっているイラク戦争への批判を全く無視して、政府与党は復興支援を名目に多国籍軍への支援を続けようとしている。これは、安倍内閣が世界の動向も、イラクの動向も、イラクの人々の命も、憲法もすべて無視したものであり、この期に及んで2年間の延長をすることは、全く根拠がない。

 イラクでの米兵の戦死者は3500人を超え、ブッシュ政権のイラク政策に対しては、アメリカ国内でも批判の声がますます高まっているのは当然である。また、イラク人の死者は7万人強に達すると言われている。

 安倍政権はあくまでもブッシュ政権に追随して、米軍を中心とする多国籍軍に協力し航空自衛隊による軍事物資や人員の移送を継続する方針である。社民党は、日本政府がブッシュ政権に追随することなくイラクの実情を直視し、国際社会の変化を正しく受けとめ、自衛隊を早期にイラクから撤退させることを全力で求めていく。

以上