2007年6月30日
国家公務員法等一部改正案の採決強行に抗議する(談話)
社会民主党党首
福島みずほ
- 本日未明、政府与党は参議院において、「天下りバンク」の創設や能力・実績主義導入を柱とする「国家公務員法等一部改正案」の採決を強行した。国会を強引に12日間延長しておいて、委員会での審議も尽くすことなく、本会議で中間報告をさせて直ちに採決したことは、国会の委員会制度を破壊する暴挙である。社民党は、安倍総理の立法府に対する介入と、その意に沿って安倍総理の「実績作り」に協力し、横暴な国会運営を繰り返す与党に強く抗議する。
- 今回の制度改革では、専門スタッフ職創設、退職勧奨の禁止と定年延長、キャリア制度の廃止など、天下りの抜本是正策ともなる措置は後回しにされ、所管官庁と関係企業の構造的癒着という、天下りの本質的な問題を解決するものとはなっていない。また、事前規制と人事院の関与がなくなると、バンクを通したということで、天下りの規制どころか天下りにお墨付きを与えたことになりかねない。
- また、評価の客観性・公正性がどう担保されるのかが大事なのに、法案では能力・実績主義の導入だけ規定して、具体的な新たな評価制度が未整備のまま見切り発車されようとしている。能力・実績主義を行うのであれば、公正で労働者の意見も反映した評価システムが必要であるし、公務労働における評価のあり方を公共サービスの質の観点からもっと深める必要がある。労働基本権の保障など制度の抜本改革に向けた具体的な道筋の明示と、最低限、労使協議制度の確立が不可欠である。にもかかわらずILO勧告を満たした労働基本権の付与をはじめとした労使関係の改革は先送りされている。
- 今、緑資源機構の官製談合事件などにより、国民の官製談合や天下り禁止問題への関心が高まっている。しかし、安倍内閣はその実態を明らかにすることなく、参議院選挙対策を強く意識した付け焼き刃・小手先の対策に走り、拙速に法案を押し通して国民の批判をかわそうとしている。社民党は、参議院選挙において、暴走する安倍政権の実態を広く国民に訴え、国民本位の民主的で透明な公務員制度改革を進め、豊かな社会的公共サービスの実現を強く求めていく。
以上