2007年8月8日

2007年度人事院勧告について(談話)

社会民主党幹事長
又市征治

  1. 人事院は、本日、2007年度の給与勧告を行った。月例給については、較差が0.35%(1352円)として、官民格差の顕著な初任給中心の引き上げ改定、扶養手当の引き上げ、地域手当の改定を行うとともに、一時金についても0.25か月分引き上げるという内容である。99年から05年までの8年間でみると50.3万円下げられてきたが、今回、民間給与実勢を踏まえ、6年ぶりのベア勧告となり、9年ぶりに年収ベースで4.2万円の改善となっているのは当然といえば当然だ。人事院勧告は労働基本権制約の代償措置であるとともに、地域の民間労働者の生活改善にもつながるものである。公務員給与を財政再建のスケープゴートとすることや、「政治の道具」として取り扱おうとするのではなく、勧告通り実施することを強く求める。

  2. 「公務員の人事管理」について、キャリアシステムの見直し、高齢期の雇用問題、超過勤務の縮減、所定内勤務時間の短縮、非常勤職員の給与改善等への指摘がなされている。これらの点について、具体的な改革の推進を図るべきである。特に、所定内勤務時間の短縮について、来年を目途に民間準拠を基本として見直すということが打ち出されており、来年度には確実に勧告がなされるよう求める。また、公務内の格差是正の課題としてわれわれが重視してきた非常勤職員の処遇改善問題についても、実態の把握に努めるとともに必要な方策の検討を進めるという方向性が指摘されているが、いまだ不十分である。具体的な処遇改善につながるよう、積極的に踏み出すべきである。

  3. また、「給与構造改革の推進」として、専門スタッフ職俸給表の新設や昇給・勤勉手当における勤務実績の反映の推進が打ち出された。これらの制度の具体化や、透明で信頼される人事評価制度の確立に向けて、政府は労働組合側と十分な交渉・協議を進め、合意の上で施策のとりまとめを行うべきである。

  4. 与党幹部が、公務員バッシングを煽り、総人件費削減攻撃を続けてきた中、参議院選挙では与党が惨敗した。しかし、安倍政権の市場原理主義、「小さな政府」路線は変わっていない。格差が拡大し、安心と安全が失われている今、求められているのは、豊かで良質な社会的公共サービスの維持である。そのための公務の労使関係、公務員の賃金決定システムについて、労働基本権確立の原点に立ち返った根本的な論議・取り組みが必要である。「構造改革路線」の転換、格差是正、労働基本権問題の解決に向けた、公務労働者と民間労働者の連帯・共闘の強化に強く期待したい。

以上