- 政府は、24日の閣議で独立行政法人の整理合理化計画を決定した。見直し対象101法人のうち、廃止・民営化が6法人、16法人が統合で6法人に、79法人で事業の見直しが行われ85法人になる。政府の整理合理化計画は、本質的な論議に入ることはなく、行革相のパフォーマンスばかりが目立ち、最後は「官僚主導」の調整で、結局、数あわせ・組織いじりに終始した。
- 独立行政法人は、国が現在行っている事務・事業のうち、必ずしも「国自らが主体となって直接実施しなければならないものではない」が、「国民生活・社会経済の安定等の公共上の見地から、その確実な実施が必要とされる事業」を行う組織である。個々の事務・事業や組織が国民のニーズに応え得るものになっているかどうかを不断に見直すことは当然であり、中身をしっかり検証して、国民の期待に応えていけるよう改革していくべきであった。しかも独立行政法人・特殊法人等の経営破綻や行き詰まりを生みだした温床である政官業癒着と自民党族議員・特権官僚の支配構造であり、そこにこそ大胆なメスを入れるべきであるにもかかわらず、天下りの廃止や官製談合の防止、情報公開の面では全く不十分である。
- 行革相が主張していた国立印刷局と造幣局の民営化が見送られ、都市再生機構と住宅金融支援機構の見直しも事実上先送りとなった。そもそも印刷・造幣事業の公共性や旧公団住宅の住民の声を無視し、廃止・民営化を強行しようとした行革相のが間違っていたのであり、民営化を現時点で阻止したことは当然のことである。
- また、これだけ消費者問題や偽装が騒がれている中、国民生活センターについては、行革の観点だけがクローズアップされ、廃止・統合に向けた検討や、消費者からの相談を直接受ける「直接相談」の廃止や商品テストの大幅な外部委託などの業務縮小策がばかりが論議された。消費者行政の機能強化のためには、国民生活センターの業務や機能を独立行政法人から行政機関に移管すべきであり、将来的には、現在各省庁間に分散している消費者行政機能を統合した国民生活省や消費者庁が設立されてしかるべきである。
- 「市場化テスト」を新たに20法人の29事業に導入することになったが、公共サービスの質の低下が危惧される。
- 社民党は、数値目標ありきや数合わせではなく、個々の法人の事務・事業の政策的必要性の是非を考えた上で、(1)情報開示の徹底と運営実態の透明化、(2)事業内容及び政策目的の精査、(3)政策・事業決定システムの見直しと政官業癒着の追及、(4)子会社・ファミリー企業の規制、(5)「天下り」・「渡り鳥」・「官製談合」の規制―の5つの視点で諸問題にメスを入れ、国民生活の向上、社会的規制の確立、公共性の確保、良好な雇用・労働環境の維持等の観点からの真の改革に取り組んでいく。
以上
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