26日、文科相の諮問機関である「教科用図書検定調査審議会」は沖縄戦の集団自決に関する記述について「旧日本軍の関与」を認める記述の復活を認め、渡海文科大臣はこれを承認、決定した。県民大会に11万6千人を結集した沖縄県民の怒りと広範な国民世論が文科省と審議会を揺り動かしたものといえる。
しかし、文科省の恣意的な判断によって、「検定意見の撤回」や「軍の強制」の記述を認めなかったことは沖縄県民の思いを踏みにじるものと言わざるをえない。教科書検定に政治的判断は持ち込むべきではないといいながら、「軍の強制」という歴史的事実を歪曲しようとする政府・文科省の姿勢は「政治介入」そのものであり、到底許されるものではない。平和憲法の改悪を視野に、歴史的な事実を隠蔽し、「軍隊」を美化する安倍内閣以来の政府の姿勢に基本的な変化はないといわざるを得ない。
社民党は、あらためて検定意見の撤回と旧日本軍の強制の記述の回復を要求する。また、今回の沖縄戦の記述を、誰が歪めたのか、その真相解明と責任を追及し、透明性・中立性・公平性を確保するため、日本の教科書検定制度の抜本的見直しと「沖縄条項」の確立などを求めて、取り組みを強化していく。
以上
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