社会民主党幹事長
重野 安正
本日、政府から再提示された日銀の総裁と副総裁の同意人事について、衆参両院で採決が行われた。
社民党は、「財政と金融の分離」という観点に立ち、総裁候補として提示された田波耕治・国際協力銀行総裁については、前回提示された武藤敏郎副総裁と同様、不同意とした。日銀総裁は、日銀の独立性を保持して金融政策を的確に判断して実施すべき重要なポストであって、大蔵省と財務省の天下り先であってはならない。 一方、副総裁候補として提示された西村清彦・日銀政策委員会審議委員については、 審議委員としての実績と識見をふまえて同意した。
採決の結果、衆議院では与党の賛成多数で両名とも同意となったが、参議院では田波氏が不同意となった。
したがって、現在の福井総裁の任期が、本日19日をもって終了するため、日銀総裁のポストは空席となり、その間は、白川方明副総裁が総裁代行を務めることとなっ た。
ドルの下落と円高の急激な進行など、金融の舵取りが重要な時期にさしかかっているときに、時間が切迫するまで放置しておいて、あえて国会内で多数の同意が得られないことが分かっている人を、二度も提示してくる政府の姿勢は、まったく理解しがたい。
福田総理はこの点を反省して、一刻も早く次の人選にとりかかることを求めるものである。また、日銀法の改正など、土壇場でルールの変更をすべきではない。
以上