2008年4月30日

暫定税率延長法案の衆議院での再議決を糾弾する(談話)

社会民主党
 幹事長 重野安正

  1. 与党は、本日の衆議院本会議で、ガソリン税等の暫定税率を延長することを盛り込んだ、国税2法案及び地方税3法案のみなし否決と再議決を強行した。歳入関連法案については、参議院で真摯な審議を続けており、また6党の政策協議も始まったばかりである。にもかかわらず、問答無用で参議院の審議権を奪い、1952年以来、56年ぶりの暴挙を行う与党の権力の乱用を厳しく弾劾する。社民党は、他の野党と共同で、本日の衆院本会議の開会をしないよう議長に申し入れ、抗議の意を表するため本会議には欠席した。
  2. 道路特定財源の暫定税率は3月末ですでに失効している。再議決は税率の「維持」ではなく、新たな「増税」を意味する。増税するのなら、それ相応に十分な説得力が不可欠である。しかし再議決という強引な方法で暫定税率を復活させることについて、説得力が乏しすぎる。しかも国民生活に密着した税制関連法を周知期間もおかずに即日施行することは、党利党略以外のなにものでもない。
  3. 道路建設の高コスト構造、ミュージカルやマッサージチェア、職員旅行にタクシー券、軍用道路の建設、無駄な公益法人や天下り等々、国会審議を通じて、道路財源のとんでもない流用の実態が明らかになった。このまま暫定税率を復活させては、税金の無駄遣いがどこまでも続いてしまうおそれがある。国交省と族議員の意のままに、道路利権を守るために暫定税率を継続することは認められない。
  4. 政府・与党は来年度からの一般財源化の方針を決定しているが、道路整備に充てるという特定財源を前提にしている暫定税率を再議決し維持しようというのは矛盾している。さらに、政府・与党決定で、道路の中期計画は5年としているのに、中期計画の財源として必要とされる暫定税率を10年間も延長しようとすることの説明はつかない。
  5. そもそも国税2法案及び地方税3法案は、高額所得者や資産家優遇を継続しようとしている証券税制、個人住民税の公的年金からの天引き、地方分権の理念や税制の原則から逸脱する地方法人特別税の創設、財政格差を自治体の「自助努力」・「自己責任」の問題に転嫁されるおそれがある「ふるさと納税」の導入等多くの問題点を抱えている。
  6. 政府・与党がなすべきは、総辞職か国民の信を問うための解散・総選挙である。社民党は、先の衆議院山口2区の補選で示された民意を無視する与党の姿勢に抗議するとともに、二度とこのような暴挙を繰り返さないよう強く求める。そして、政府・与党の施策によって生活不安を増していくことに怒る多数の国民の声を受け止めて、全国各地で奮闘する決意である。

以上