2008年8月15日
社会民主党党首
福島みずほ
第二次世界大戦が終結して、63年目を迎えました。第二次世界大戦の惨禍は甚大であり、多くの人々が倒れ、傷つき、苦しめられました。ことに、わが国による植民地支配と侵略によって、アジア近隣諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。社民党は、戦争によって人生の半ばで倒れた犠牲者の思いを受け止め、亡くなられたすべての人々に心から哀悼の念を捧げます。
戦後の日本は、第二次世界大戦の反省に立ち、日本国憲法を基礎に据えて歩み続けてきました。平和憲法を堅持することによって私たちが獲得したものは、平和国家としての他国民からの信頼であります。それは私たちにとって共通の財産であり、その価値がいかに大きいものか、改めて認識しなければなりません。残念ながら今日なお、地域紛争は世界各地で絶えることなく生じており、更に大きな戦争へと拡大する脅威が存在しています。報復が報復を呼び、緊迫した不安な日々を送らなければならない多くの人がいます。そのような不幸な事態に終止符を打ち、平和を作り出すために、私たちは叡知を絞るべきです。日本国憲法と同じ理想を掲げている国の人々と、その貴重な経験を共有し広めていかなければなりません。
戦争は終わった後でも、多くの問題を残します。埋め込まれた地雷や遺棄化学兵器、不発弾などの脅威は、長く人々の日常生活を脅かします。今年5月には、クラスター爆弾を禁止するための国際条約が合意されるなど、平和を求める人々の叡知と労力が結実しました。しかしながら、原子力空母の配備や原子力潜水艦の放射能漏れなど危険な動きが起きています。とくに、沖縄は、今日なお米軍基地の脅威にさらされており、政府から地域住民に対して新基地建設の圧力がかけられています。沖縄戦をめぐる高校日本史の教科書検定では、軍の関与を否定して歴史的な事実をねじまげようとする問題に対し、抗議の声が上がりました。社民党は、北東アジアに非核地帯を作り上げ、総合的な安全保障機構を作ることを提案しており、あわせて在日米軍基地の整理・縮小・撤去をめざしていきます。核兵器の廃絶や大量殺戮兵器の撤去を求める声をさらに広げていきます。「緊張のアジア」ではなく、「平和と協力のアジア」を作り上げていかなければなりません。
今年4月には、名古屋高裁において、自衛隊のイラク派遣を違憲とする判決が出されました。今後とも憲法九条の改定をもくろむ憲法審査会を始動させないようにするとともに、インド洋上での自衛艦による給油活動を中止させ、自衛隊の海外派遣恒久法の導入にも反対していきます。
社民党は、8月15日にあたり、平和の尊さに深く思いを致し、紛争や戦争による惨禍をもたらさないために、いっそう努力していくことを誓います。
以上